初めてGUで買い物をした話

今日までGUは存在を知りながらも一度も使ったことのないブランドだった。佐藤可士和がロゴをデザインした事。ファーストリテイリングが持つ会社であること。会社を取り巻く事は知っていても、肝心の服がどんなもので質が如何なるものかは全く知らないのだ。ただファストファッションの代名詞で、流行を追いたい人が着るブランドというイメージが頭の中にこべりついていたからだ。

僕は季節を問わず可能な限り同じような型・色味のものを身に付けたいので、流行とは無縁の生活である。つい先日、愛用しているユニクロのウールのクルーネックセーターと同型・同色でコットン100%の物が発売されたので即購入した。

稀に時代が僕に合わせてくれる時もある。クラシック回帰最盛期を迎えた今、プレタポルテから始まったファッションのトレンドが（比較した時の）下層であるGUにも僕好みな服が幾らか陳列されているのだ。就職活動中の息抜きとしてフラッとGUを覗き込むと、綺麗なテーパードのかかったスラックスが見えた。しかも色味が絶妙なブラウンだ。こういう色味は売っている時に買わないと、次にいつ手に入るか分からないものである（まぁ、そこが「ファストファッション」である所以ともいえる）。
試着してみると、まるで誂えたのかと思うほどフィットした。パンツ自体が細身なのだが、ストレッチが効いているおかげで窮屈な感覚が薄い。しかも、裾上げを含めて3000円程度。これが規模の利益か、と感心してしまった。

裾上げされた商品を受け取ったところ、ショッパーに”GU YOUR FREEDOM”と書いてあった（ちなみに、ユニクロは”Life wear”である）。
流行を追いたい、しかし出費は抑えたいという典型的な日本人にピッタリなブランドのようだ。彼らのおかげで服の持つ自由性（freedom）が失われるとも知らずに。プレタポルテが持つ独創性を買う客が減れば減るほど、我々が身に纏う衣類は均質化されていくという事に気付くべきである。